好きじゃなくたっていいじゃない

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前回の「壮大なひっかけ質問」の「どんな仕事がやりたいですか」のベースには「好きな仕事に就く」という概念がある。これがまたすごく原始的な考えなのではないかと思う。

もちろん好きな仕事に就ければいいが、子供の頃からジャイアンツでプレーすることを夢見て練習に励む野球少年でもあるまいし、大抵の学生はそんなに強い職業志向なんて持ってない。

ところが就活となるといきなり業界研究の名の下に職種を選ばされる。何になりたいのか、どんな仕事をしたらいいのかわからないのに無理やり好きな会社を選ばされるのは、生まれて初めて目にするアゼルバイジャン料理のメニューを渡されて「さぁ、好きなものを頼め」と言われているのに等しい。選びようがない。

となればここは「出されたものなんでも食べます」しかないだろう。ただし誰と食べるのか、どこで食べるのか、そこにはこだわった方がいい。

就活でもときおり「職種にはこだわりません。なんでもいいんです。でも楽しく働くために気持ちのいい仲間と、楽しそうに仕事をしている尊敬できる上司と、そういう環境の会社を探しています」という学生に出会う。その後の様子を伺うと、そういう会社選びをしている人の方が確実に成長しているように見える。

逆に製品やサービス、社名だけにこだわって入社したものの「こんなはずじゃなかった」と早期退職につながる例もこれまた枚挙にいとまがない。

仕事をするのに一人でやるのは不可能だ。誰が自分と一緒に働くのか、誰が仕事を教えてくれるのか、誰が手本となってくれるのか。会社選びに困ったら目線を変え、違う角度から会社選びをすることをおすすめする。

好きで始めなくたっていいじゃない。好きになれる可能性が高ければ。むしろ好きではじめてみたものの、だんだん嫌なところが目についてモチベーションが落ちるよりずっといいと思う。