新卒は就職じゃなくて就社

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業界研究なんて意味が無いという話は以前に書いているが、もう一つ就活生が意識しなければいけないのは職種の問題かと思う。よく言われているように日本の新卒は就職ではなく就社だ。希望の会社に入れたとしても希望の職種につけるとは限らない。

私の大学時代の先輩が、当時就職先としては絶大な人気を誇っていたテレビ局に晴れて内定が決まった。しかし入社後に話を聞いてみると総務部に配属になってしまい、やたらと意気消沈していた。本人は製作に携わりたかったらしい。

規模の大きい企業に入って希望の職種のそのままストレートに就けるのは、本当に優秀な人材だけ。そもそも日本の学生は欧米ほどにインターンシップの経験を重視していないし、就職でアドバンテージになるほどのインターンシップを課している企業も無い。就活生の就労経験はせいぜいが就職を見越していない、責任の限定的なアルバイト止まり。ポテンシャルはあったとしても学生は未経験者の集団だ。

例えているなら新卒就職は、体力はあっても全く野球の経験のない新入生がピッチャーになるためとか、4番バッターになるために入部すると言っているような話で、本人の希望はともかくそんな希望がそのまま叶うわけではない。なので就活は、どんなポジションでも納得がいくと思えるようなチーム(会社)を選ぶか、またはどうしてもそのポジションが欲しいというのであればチームは二の次でポジション限定で入れてくれる所を探すのがよい。

ただあまりポジションにこだわりすぎると転職ばかりする人生がスタートするのでオススメしない。中途採用の若手応募者を数多く見てきたが、6割程度の人は「希望の職種に就けなかった」「大学時代のバックグラウンドを活かしたい」という理由の人だ。

希望とはかけ離れた職種でも頑張って少しでも実績を出す。それが認められて希望の職種に行くことができるか、または当初とは違った職種でも責任ある仕事を任されキャリアアップしていく。それが社会人のあり方だ。

自分の希望通りにならなかったからといって腐っていたら、永遠に仕事のグレードはアップしないのだ。