選考の作文の課題「このコロナ禍で学生は何をすべきか」で期待していた答えの一つが「笑うこと」だったのだが、そう書いてきた学生は皆無だった。残念。
飲み会の機会が随分と減ったこともあり、腹の底から、そして涙が出るほど笑うことがすっかり減ってしまった。
笑いたくない場面でさえ笑顔をつくり笑うことで自分を欺き、脳内ホルモンが分泌されストレスが減ることがわかっている。人と会い笑う機会が減っている今、テレビやネットフリックス、Youtubeなどでコメディ、漫才、コントなど、笑えるものを見て、あえて大げさに笑ってみたい。
また、マスク生活で顔の大部分を隠す時間が長くなったことにより、多くの人が顔の表情筋が衰えている。
これはマナー講師の先生から聞いた話。講習では笑顔を作る時間があるのだが、とある見た目60歳代の受講者がどうやっても笑顔が作れない。ぎこちない笑顔すらできないのだという。
どうして笑顔ができないのか?その受講者いわく、顔に皺ができるのが嫌で、特にほうれい線が出来るのが嫌で、もう何年も笑わないように努めている、とのこと。
問題なのは顔の表情が乏しいことではない。実はその受講者の実年齢が30代そこそこだったことだ。まるでナイト・シャマランの映画のようなホラー話だが事実である。
顔の表情も筋肉。鍛えれば張りを持つが、使わなければ衰え皮膚を持ち上げることができず、ブヨブヨとして弛んでしまう。筋肉を動かせば血液やリンパ液の流れが良くなり顔色も良くなるが、動かさなければシミや目の下のクマなども酷くなるに違いない。
笑わないことは精神的にも外観的にも良くないことばかりなのだ。
いくらコロナといえども完全にマスク着用で採用が決まることは無いだろう。どこかの場面でマスクを外すことがあるはずだ。そんな時、表情が暗い、重いなどならないよう、普段から顔の筋肉も鍛えるべく笑うことを意識されたい。
それが同時に、この鬱屈としたコロナ禍での精神的に滅入らないための方策ともなるのだ。
笑う門には福来る。