セブの水道水

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セブ島がもともとサンゴ礁などが堆積した海底が地殻変動によって隆起してできた陸地であることに由来するためか、水道水に大量のカルシウムが含まれている。

工場でも製造に水を使用することから水質検査を大昔にやったことがある。手元にデータが残っていないのでうろ覚えの記憶だが、確か1リットル中に600ミリグラムほどのカルシウムが入っていたのではなかろうか。

便秘にはヨーロッパのミネラルウォーターを飲むと効くという話があるが、有名なエビアンでもカルシウムは100mg程度しか入っていない。特に硬度が高いとされているContrexで400mg程度だから、セブの水道水にはいかにカルシウムがたくさん入っているかおわかりだろう。セブの水はそのままではわからないが、鍋にいれて沸かすと白い粉状にカルシウムが沈殿するほどだ。

生活用水のほとんどが飲料用ではないのだし、大量のミネラル成分を除去するのにコストがかかりすぎるから水道局も本気でカルシウム除去なんてしない。普通の日本人がそのまま飲むとお腹をこわすかもしれないが、不衛生な菌が含まれていてお腹をこわすのではないから、歯磨きをしたり野菜を洗ったりする分には何も問題は無い。神経質な社員がミネラルウォーターが無いからコーラで歯磨きをした、などという笑い話があるがそこまで神経質にならなくても大丈夫だ。(それにしても歯を磨くなら糖分の入っていないダイエット系飲料でないと逆効果だけれども...)

一応、現地水道局の見解としては水道水を飲んでも大丈夫ということになっているためか、フィリピン人には躊躇無く水道の水をそのまま飲む勇者も居る。それでいて現地の食事は野菜なんかほとんど食べず、やたら塩っ辛い干し魚にご飯書き込むような食育無視のスタイルだから、腎臓結石を患うフィリピン人は非常に多い。

この超硬水の水道水は洗剤が水に溶け込みにくいので生活上非常に不便だ。洗濯はすすぎにやたらと時間を要する。風呂(シャワー)でも身体を洗うと泡立ちが悪く、水で流してもいつまでも石鹸が身体にまとわりついているようで気持ち悪い。そしてなにより、シャワーノズルの穴がよく詰まるから、定期的にシャワーヘッドを分解して固まった石灰石をゴリゴリと削らないといけない。

ある程度のグレードのホテルであればシャワーや洗面所の水道水は独自にフィルタリングをしていて、こういった問題が起こらないようにしている。水がちゃんとフィルターを通っているかどうかは、水道周りを見ればすぐにわかる。蛇口やノズルの周辺にカルシウムが沈着するからだ。1000年くらいポタポタと水を出しておけば立派な鍾乳洞になるんじゃないだろうか。