適正診断テストとは

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昭和の時代、お肉屋さんといえばショーケースの中にドサっと肉が積まれていて、200グラムください!などと頼むと肉屋の人がその場でささっと計って売ってくれるのが一般的だった。今ではデパ地下や駅ナカのお店でサラダを買う時くらいしか見られなくなったが、ああいう時に一度でピタッとグラム数が合ったときの爽快感は格別だ。お店の人は慣れたもんで当たり前にやってのけるが、職人技だなぁと思う。

テクダイヤにも居る金属加工職人という人たちは、このピタっと合わせる精度がやたらに細かい。あと1/10ミリ削ってくれとか、1/100ミリ細くしほしいというリクエストに、スケールカウンターの無い機械でもさらっとやってのけてしまう。1/1000ミリ単位の加工となると、加工中の素材の熱膨張、工具を押し当てた時の素材のたわみや装置の歪み、音や色、匂い、振動、指の感触まで総動員して実現させる。まさに神業的な領域だ。

こういう職人技はすぐに身につくものではない。習得まである程度の時間がかかるから辛抱強さが求められる。一方、器用な人はある程度まで習得できると満足し興味があちこち移ってしまう。どちらかといえば浮気性なタイプで辛抱強さに欠けるから、神業的領域まで到達するのが難しい。

「じっくり時間をかける不器用な職人肌」が良いのか、それとも「好奇心が強く器用なタイプ」が良いのか。これら、性格による仕事の向き不向きを判断する一つの材料が、就活生が誰でも受ける適性検査だ。

結論から言えば、性格には良いも悪いも無い。あるのは向き不向き、だけ。

リーダーシップが強い人が良いかといえば必ずしもそうではない。船頭多くして船山に登るということわざの通り、統率力のある人ばかり揃えるとチームとしての強さが出ない。チームの中には黙々と地味な仕事をこなす、前に出ることを好まない従順な人も必要だ。

チームワーク特性が高ければ良いのかといえばさにあらず。一人で訪問した客先のその場で決断しなければいけないような仕事は、相談せずには居られない人には向いていない。

計画性が高い人はハプニングに弱い。そもそもハプニングが怖いから計画で備えるのだから。逆に、計画力に弱い人は予定外の出来事に強い人が多い。

人の顔色を伺う人は面倒見が良いのだが、顔色をうかがいすぎると決断力は弱くなる。

チームに同じタイプの人間が固まってしまうのは組織力が弱くなる原因なので、適正診断テストを有効に用いて適材適所な採用を心がけている企業は多いのだ。