エビデンスとストーリー

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「経済の不都合な話」という本を読んでいて就活のヒントになる言葉に遭遇したので紹介したい。

それは、人を説得するには理性に訴えかけるエビデンス(事実)だけではなく、感情に訴えかけるエピソード(ストーリー)が大事というお話。

就活では希望の仕事をやりこなすだけの能力があると示さなければいけないが、それにはエビデンスが必要だ。語学の能力を示すスコアや等級、忍耐力を示すための従事した年数(書道10年とか水泳15年とか)、あるいは地頭を証明する学校名とかGPAなどなど。

しかし単に優秀だからといって内定は出ない。ストーリーが必要なのだ。これは前回のブログでも触れたように単なる体験としてのエピソードよりも、もっとロングスパンの、まさに物語(ストーリー)が必要だ。なぜか?企業側は、頑張り続けられる理由、「辞めないこと」の証を見つけたいのだ。

優秀層には頭がよくて何でも器用にこなすという人が多いが、その興味の多さが災いし、一つのことをある程度こなしてしまうと他に興味が移り、長続きしない人が居る。企業としてはすぐに辞めてしまわれるのは困る。会社や仕事に執着し、諦めずに取り組んでくれるその根拠をストーリーの中に見出したいのだ。

だからTOEICも受けず海外旅行の経験すらないのに就職でグローバルを連呼しても説得力無いし、普段からファッションも流行にも興味が無いのに化粧品やアパレルの会社を志望するのも説得力が無い。

同じ業界の競合する会社を複数受けている時など「どっか受かればいいや」くらいの気持ちでいると全部落ちるだろう。他でもないその会社でないといけない、というストーリーが必要だ。

有名ブランドはそういう意味でストーリー作りに励む。単にスペックだけで買ってくれることが無いのは商品でもサービスでも同じなのだ。