遊星からの物体X

これは先月フィリピン出張した時の話。

ホテルに到着し無事チェックイン。誰かが一緒ならいつも行くお決まりのお店で夕食に行くのだが今回は1人。わざわざ1人だけでタクシーに乗って食事に行くのも味気ないので、ホテルの裏にあった知らない日本料理屋へフラっと入った。

頼んだのはサラダとトンカツと焼きうどん。サラダを前菜に、カツでツマミに一杯やって焼きうどんでしめる、という算段だった。なかなか小洒落たレストランで、サラダは白い、ちょっと深めの高そうな器に盛られて出てきた。結構な量がある。だが小皿に取り分けてパクつき初めてから何気なくサラダの器を見るとそれは居た!

ミミズのようでミミズでない。もっと細い。寄生虫のようだが色は暗いあずき色。それが器の縁で高速でうねっている。映画「遊星からの物体X」で変態した人の体からウニョウニョ出てくるアレのようだった。

「ひぃっっ!」と思わず声が漏れそうになったがそこはこらえつつ店員を呼んだ。「Excuse Meeeeee!」

さすがに店員もそれを見て一瞬固まったが、大慌ててサラダボウルを抱えて奥に引っ込んでいった。

それにしてもなぜそんなものが居たのかが謎だ。野菜についていたにしてもサラダはレタスが丸のママ入っていたわけではない。百歩譲ってソレが死んでいたならまだわかる。ということは盛りつけてから入ったということか。おいおい、どんな厨房なんだそりゃ?と考えていたら急激に食欲が落ちた。いやいや、衛生管理状態がどうこうというよりも、あの未知の物体見ただけでも普通はげんなりするだろう。結局、他の料理をほとんど残してしまった。

別にごねたわけでも交渉したわけでもないのだが、その日の代金はビール以外はタダということになった。良かったのか悪かったのか...