好奇心と持続力

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ここのところ更新が遅れていたのはアメリカのボストンで行われた、留学生を対象とした企業合同説明会「ボストンキャリアフォーラム」(通称ボスキャリ)に参加していたからだ。

日本のコンビニで働く若者に中国人を始めとした外国人留学生が多いのは偶然ではない。彼らは物価の高い異国の地、日本へわざわざやって来た気合の入った学生だ。やる気であふれた若者なのだから、ノホホンとした普通の日本人大学生と比べ、アルバイトとして採用される確率は高い。

テクダイヤは多国籍の人間が働くグローバル企業であり、バイタリティーのある人材を探している。日本で募集するとそういう学生の出現率はそんなに高くない。ところがボスキャリで出会う学生は、さすがに日本を離れて頑張っているだけにバイタリティー豊かな人材が多い。

ただし、海外で頑張っている学生なら誰でもよいかといえば、そうはいかない。もともと家族の仕事の関係でそこに住んでいた人たちはさておき、海外好きの中には一定の割合で飽きっぽい人が混ざっている。

私は香港が好きでよく訪れるが、ものすごくディープな、こ汚い食堂に行くと日本語も英語も通じない場所が多い。覚悟を決めて注文した後にどんなものが出てくるのかドキドキするし、出てきた料理が鶏の足の部分だけ、トサカの部分だけが出てきて「あれ、こんなもん頼んだっけ?」ということは珍しくない。ただ単にレストランで食事を注文するという当たり前なことが、異国へ行くとちょっとした冒険になってしまうのだ。

海外好きにはこの予想外の出来事にスリルを求める人が多い。問題はその珍しものがり気質が持続力と反比例しやすい点だ。

勉強の科目、またそれをどこで勉強するのかなど、やりたいことの全てを自分で選択できる学生と違い、社会人の選択肢は限られている。どちらかといえば仕事は選べないし、つまらない仕事の方が多い。退屈な仕事に向き合ってやりぬくには持続力が必要で、スリルを求めるのとは因子がかなり異なる。

好奇心と持続力、この二律背反する要素を兼ねている人材をどう見極めるのか、人事の腕の見せ所となるのだ。