内定ブルー、という言葉があるということをつい最近知った。内定を取った学生が憂鬱になるのだという。その理由は主に3つ。一つ目は「この会社でいいんだろうか」と迷うパターン。二つ目は「内定の会社が実はブラックだったらどうしよう」というもの。3つ目は「ちゃんと活躍できるかな」という不安。
いずれにしろ、就活・採用というものは採用する側も採用される側も、働く期間に比べると採用に費やす時間はものすごく短く、完全を期することは難しい。だから学生は入りたい企業に滑り込めたらそれで終わり、というわけにはいかない。ただ会社に居るだけではなく、活躍してなんぼ。もっと言えば、希望の企業に入って活躍できないより、自分の意にそぐわない企業に入ったが成功する方がいいのはわかりきったことだ。
アメリカの学者クランボルツが調査したところ、自分の思い描いたとおりのキャリア形成をしている人は全体の2%しかいないのだそうだ。98%の人が思いもしなかった選択肢を選び幸せを感じていることになる。ただし、その予想外のキャリアでも成功するための5つの要素があるのだという。それがこの5つ。
・好奇心
・柔軟性
・持続力
・楽観性
・冒険心
キャリア形成は波乗りのような要素が強い。自分が思い描いていた波が来ないからといって見送っていたら、ずっと波に乗れないまま終わる。ちょっとやそっと違っていても、「どうにかなるさ」と勇気をもって飛び込んでいくことは大切だ。かといって、すぐにやっていることを放り投げて取っ替え引っ替えしていては成功しない。キャリア形成どころか人生そのものが波乗りだ。思っているとおりになんか絶対にいかない。
一番の不幸は、うまく行かなかった時、または迷って決断したあとに「あっちの方が幸せになれたかもしれない」「こっちの選択肢を取ったから不幸になった」と思い続けることだ。楽観視できず悲観的になっていると、どうしても今自分がやっていることに没頭できない。没頭しなければ深い所まで掘り起こせない。深いところまで掘り起こさずに表面をなぞるだけでは本当の面白さを感じることなどできない。つまり、ネガティブだと仕事の面白はわかりえないのだ。
この5つのコンピテンシーはいわば幸福の因子でもある。自分の身の回りを見回し、幸せそうに生きている人、文字通り活き活きしている人を見てみると、かなりの確率で当てはまることにびっくりするだろう。