「相談があるんですけど」
会社の後輩や部下からそう切りだされ、話を聞くことは多い。ただしパターンとして2つに分かれる。
一つは、もうすでに自分で結論を決めているがイマイチ自信が無いので、話を聞いてもらってアドバイスを求めたいという場合。もう一方は全くどうしたらわからないので単純に意見を聞き出したいという場合だ。
テクダイヤでは後者を嫌う。自分の意見が無い相談は仕事放棄に近い。全部他人に丸投げ。こんなことしていたらずっと他人に依存したまま。成長のしようがない。
テクダイヤの現在のロゴマークには「こうしましょう。」というスローガンがついている。社内でも、顧客に対しても常に提案していこう、という心がけがここに現れている。
報連相(報告、連絡、相談)というビジネスの基礎を禁止して話題になっている未来工業と いう会社がある。ここまで行くと徹底している。報告も連絡も相談も、依存心があると単なる「お伺い」にしかならない。報連相を禁じるというのは、全部自分で考え、調べ、行動し、責任を持つ、ということだ。甘えが完全に許されない。
その一方で、選択権が多いことはそれに比例して自由度が大きくなる。
テクダイヤでは出張については海外も国内も、上司はほとんど命令をしない。「口をあーんと開けて~」などと口元に食べ物を持っていくような子供扱いをした くない、というのが理由。そのため、営業員は自分のプライベートの用事を勘案し、お客さんにアポイントを取って都合よく出張の日程を組むことがで きる。もちろん展示会やトラブル対処など、相手の都合に合わせなければいけないことも当然あるが、かなり自由度は高い。
ホリエモンは著書「ゼロ」の中で、働く理由として「自由になること」を挙げていた。是非就活生には読んで欲しい。
自分で決めることは非常に苦しい作業だが、そこには大きな自由がある。会社がいちいちあーだのこーだの指図しないことを「放置している」と嘆くのか、それとも多大な自由があると思うのか、そこには大きな差がある。
新人たちが「マニュアルは無いんですか?」と聞くたびに「お前らファーストフードやコンビニみたいな自由の無い仕事がしたいのか」と問いかけたくなる。仕事はどんどん自分のやり方で変える(進化させる)。教わったやり方をそのまま踏襲しない。それが「こうしましょう。」の真意なのだ。