社内ではかなり有名な話でもあり、新人社員たちにもたびたび説明しているので、すっかりブログでも触れたと思っていたがまだ触れていなかったのがウニの話。
テクダイヤの社史にはオーストラリアに支社を作った話が出ているが、実はオーストラリアのゴールドコーストでウニを採るための会社だった。ウニという名の電子部品は無いから、これはあの海産物のウニ(雲丹)のこと。
当時、オーストラリアでウニを採る業者はゼロ。かなり高品質なウニがザクザク採れたらしい。これを日本に輸出し、日本で殻剥き、パッキングをして国内向けに出荷をする。日本とオーストラリアは季節が逆だから、日本のウニの端境期に出荷できる。しかもかなり高級な品質だったので、築地ではなく京都や大阪の高級料亭向けに大阪市場に出していた。
しかし残念なことにとあるタンカーから、バランスをとるためのバラスト水にオイルが混じっていて海岸が汚染。それが原因で禁漁となり、これがきっかけでウニのビジネスは停止してしまった。水産専門でやっていた社員は、まったく畑の違う半導体関連の製品を作る工場勤務となった。
このオーストラリアでのウニのエピソードは、テクダイヤの社風を象徴する話としてたびたび取り上げられる。
我々は自分たちのことを半導体関連企業と決めているわけではない。利益創出のチャンスがあり、顧客を感動させ、かつ面白いことであれば何でも躊躇なく飛び込む。それがテクダイヤの企業文化だ。