驚きというのは感動と共にテクダイヤが大事にする文化の一つだと思う。いわゆる「人を感動させたい」と同じように「人をびっくりさせたい」というもの。
テクダイヤの会長(先代社長)は、いたずらっ子というのか常に人を驚かせることを考えている。私がテクダイヤに入社を決めたのも、面接でその人柄に一発で共感したことが理由。「この人の下なら絶対面白い社会人生活を送ることが出来る」と思ったのだが、社長が代替わりした今でもその文化は脈々と受け継がれており、会社はいつもダイナミックで飽きることが無い。
テクダイヤでは伝説となっているが、かつてはオーストラリアで雲丹(ウニ)を獲って輸入していたことがある。そのためにメルボルンに会社まで作ったのだ。それまでオーストラリアも海産物も全く縁が無かったから、当時の社員はさぞびっくりしたに違いない。
ちなみに、今はクローズしてしまった香港支社やオーストラリア支社も、設立した当時にテクダイヤ社内では英語ができたのは先代社長ただ一人。決してグローバル人材が豊富だったわけではない。周囲をあっと言わせてやるんだ、というエネルギーに満ちあふれているのだ。
そういう社風だから、テクダイヤが明日からアイスクリーム屋をやると言ってもオモチャを作ると言っても、ドローンを作り始めるとしても社員はあまり驚かないだろう。むしろ「面白いじゃん。一枚乗っかろう」という社員は多いと思う。
中小企業というのはトップのカラーが出る。スマートに仕事がしたいのか、それともアグレッシブに仕事がしたいのか、地味な仕事が良いのか、それともスリリングな仕事がよいのか、トップを見ればおおよそ判る。
会社選びは「何をするか」という軸もあれば「どういう風にやるか」という軸も大事。やりたい仕事がなかなか定まらない人には、むしろ後者の方が大事かと思う。
写真は、かつて社員旅行で必ず行われていたかくし芸の一コマ。裸でウクレレを弾いているのが先代社長。これを就業時間後にサンシャイン60のオフィスで練習していたというのだから、まさに驚きだ。