魔法のテンプレート

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就活する際に参考本などに目を通しておくことは大事だが、コピペはよろしくない。

今年の応募で履歴書をチェックしていて気がついたのが「学生時代に頑張ったこと」がテンプレートに当てはめたような文章がやたらと多い。いわゆる「課題」「目標」「解決策」「結果」と、起承転結でキレイにまとめてある文章なのだ。

こんな感じ。

”私が学生時代に一番力を入れたのはアルバイトです。2年目にリーダーとして任命されたのですがチームワークが悪く、アルバイトの休みが多く、ミスが多発して売上が伸び悩んでいました。そこで売上10%UPを目標に立て、1)始業時ミーティング、2)LINEグループによる連絡網、3)花火大会やBBQなどのレクリエーションの3つでコミュニケーション力をアップするようにしました。結果、チームワークが向上し顧客満足度が上がり売上が20%アップしました。”

テンプレートはキレイにまとまる。便利なだけに万能だ。

”私が学生時代に力を入れたのはお弁当屋さんのアルバイトです。私が働き始めた当初、ご飯の盛り付けに慣れず時間がかかり、また量がお弁当ごとに違うためクレームが多発していました。そこで一定量の盛り付けができるように1)おしゃもじの素振り1日1000回、2)自宅での盛りつけの練習、3)測りを用いて±1グラムの誤差の目標の3つでトレーニングしました。結果、クレームが無くなり店長から褒められるようにまでなりました”

とか

”私が学生時代に力を入れたのは近所のコンビニにつとめるイケメン韓国人アルバイトのネヒョンさんと友達になることです。最初は目も合わせてくれなかったのですが韓国語を勉強し1)毎日何かを買って声をかける、2)仕事が終わるまで待って後をつけ家を突き止める、3)街で偶然を装って話しかける、の3つで取り組みました。結果としてストーカー条例違反で警察のお世話になることになりました。”

とか、何でも書けてしまう。

テンプレートは話をまとめる効果はあれど、話の中身がグレードアップするわけではない。そういう意味でこれが使えるのは業績として結果が出ている優秀学生向けの手法だ。成果がたいしたことでもないのにこれを使うと滑稽きわまりない。

人事担当者にすれば何百枚も履歴書をチェックしてるのだから、テンプレート型の文章はすぐに判る。そしてそのほとんどが印象に残らない。業務報告のように淡々と、借りてきた型にはめて対策と結果が書いてあるだけで、自分の言葉で語っていないからリアリティーが薄く、文字通り軽薄な印象ばかりが残る。借りてきたテンプレートに当てはめると、内容まで借りてきたようになる。決してテンプレートを全部否定するわけではないが、やりすぎは禁物だ。

自分の言葉で書く方がもっと泥臭く、汗臭い方が真実味が出る。テンプレはケースバイケースで最低限にとどめておくのがよいだろう。