ここのところずっと更新が止まっていた理由は2つ。
一つ目は、就活生向けに書けば書くほど説教しているみたいで、自己嫌悪に陥ってたから。何かアドバイスをしなければ、何かの役に立てば、と思えば思うほど「上から目線」になっている気がして、筆が進まなかったのだ。
2つ目はコロナウィルスの影響。なにしろこんな異常事態、誰も経験していないのだからアドバイスが難しい。過去の経験が生きない。
とはいえ、なんとか気持ちを振り絞って就活ブログを再開するにあたり、コロナの状況下でのアドバイスをいくつか挙げてみたい。
例年であれば、残り少ない学生生活は「バイトして金つくれ、遊べ、海外にいけ」なんて言っていたのにそれが通用しない。もはやこれって牢屋に閉じ込められているみたいじゃん、と思って気がついた。そうか、牢屋に入ってると思ったら何するのだろう、あれ?ホリエモンって収監されているとき何してたっけ。あ、そうだ、本だ、本、本を読め、だ。これしかない。
今日、たまたま用事があって弁護士の方と打ち合わせをしていたのだが、やはり弁護士先生ってのは資料の読み込みが早く、また要点を掴むのがうまい。その上、話が完結でポイントを押さえていて無駄な言葉が無い。
そりゃ本職なんだから当たり前かもしれないし弁護士が全員そうではないのかもしれないが、資料の読み込みの基本は読書だから、かなりの読書量がなければこうはならない。
私が学生時代のやっていたバイトで、外資系大手コンピューターメーカーの催すイベントの裏方というのがあった。ある時、海外からノーベル物理学賞受賞者を呼んで講演をしてもらうイベントがあったのだが、そのときは同時通訳の方にリアルタイムで翻訳をしてもらうことになっていた。
その同時通訳の方、どこかで見覚えがあったと思ったら、テレビの番組でイギリス首相が来日し、テレビに出た時に通訳をやっている女性だった。
そのテレビではもっぱら経済や政治の話だが、今回は物理の話だ。どうするのだろう、と思っていたら控室で、手書きの図解入りノート、それも1~2ページとか簡単なものではなく何十ページにも渡るようなかなりの量のものをめくりながら本番ギリギリまで予習していた。
プロの通訳でなくとも、自分の専門分野以外に立ち入らざるを得ないことはよくある。むしろ専門分野にだけ限定して仕事をすることの方が難しい。自分の引き出しどうやって広げるのか。その第一歩として読書力は欠くことができない。
資料をぽんっと渡されたときに苦労なく読み込めるのか、それとも嫌悪感を感じてイヤイヤやりながら時間をかけてしまうのか、それもまた読書で培う能力に依存する。
どこにも行けない、人にも会えないと嘆くのか、それとも落ち着いて本を読む時間が確保できるようになったと考えるのか、そこに差が出る。これはアスリートでも同じ。練習できないという状況は皆一緒。でも、そこで工夫してコンディションを維持し訓練を積んだものだけが他者に秀でることができる。
いっそのこと「他にやることが無かったから、あの時ほど本を読んだことがない」と後々に言えるほど没頭してもいいのではないだろうか。
本をあまり読まない学生におすすめするのは名著といわれるものだ。高校生で読んでおくべき本を社会人になってから読んでるのも恥ずかしい。そして一通り読んだという人は今まで自分が興味を持たなかった分野の本を開くことをおすすめする。
今は攻めではなく守りの時。守りの時はいつまでも続くわけではない。攻めのための準備は守りの時にやる。攻守入れ替わって攻めになった時、強いやつは誰か?そう思って備えるのが一番だ。