ボスキャリはずうずうしく攻める

with コメントはまだありません

ボストンキャリアフォーラム向けに今回は就活生へのアドバイスを書きたい。

留学生なら皆知っていることだが、米国では履歴書には年齢を記入する欄が無い。入社に必要なのは経験と能力。年齢が若かろうが歳食ってようが、そんなことは関係ない。現場ですぐに実力発揮できるだけの経験があるのか無いのか、そこが問われる。普通、学生は真面目に勉強だけしていると就労経験は無い。このまま卒業しても未経験となってしまう。そこで、自分が目指す職業に近い就労経験を積むべくインターンシップに勤しむ。これがアメリカ流。

一方、日本の学生の就活では経験ではなくポテンシャル重視。企業は学生に経験なんか期待していない。未経験者を入社させ、会社で教育を施し育てていけばいいというスタンスだ。

なぜ日米でこんな差があるのか。一つには日本の丁稚奉公という歴史背景があるのではないかと思う。若い、真っさらな人を採用し、現場の中で育てて一人前になるのを待つ。伝統技術を重んじる日本らしい考え方だ。

もう一つの原因は学歴重視の儒教的思想、もっと言えば科挙の影響だ。偉くなるためにはとりあえず難しいテストを経て大学生という資格を得る。これが能力を示す根拠と見なされる。その勉強が役に立つのかどうかなどお構いなし。取ってしまえば明るい未来が約束されていると信じ、受験に邁進する。

一見相反するこの二つが、いつの間にやら融合し、大学生という身分を得るためだけに勉強し受験をパスすれば一安心、社会人のことは入社してから考えればいい、今は楽しい大学生活を謳歌しよう、という独特の文化が出来上がったというわけだ。ただし根拠は無い。

ボストンキャリアフォーラムは中途採用向け合同説明会ではなく、あくまでも新卒学生がターゲットだ。アメリカで行われようと、アメリカで留学している学生をターゲットにしていようと、新卒という枠組みがある時点で「ポテンシャル採用が前提」というのは暗黙の了解だろう。もちろん一部の外資系やIT系企業は専門性の高い勉強をして即戦力としての人材しか受け付けないということもあるかもしれない。が、風俗にやってきた客がサービスする女の子に「こんな仕事してちゃいけない」って説教してるのと同じで、新卒学生イベントで経験が無いと受け付けないなんてチャンチャラおかしい論理だ。

つまり、ほとんどの出展企業はインターン経験も学部もあまり気にしてないのが実態。そんなに気にするならボストンキャリアフォーラムには出てこないで、年齢不問・実力勝負で中途採用と区別なく採用を行うほうがよい。

なので、ボスキャリ参加の学生は、履歴書はアメリカ流に経験や学業中心に書くのではなく、ポテンシャルを示すことに重点を置く方がよい。アルバイト、サークル、ボランティア、趣味、なんでもいいから自分がどこまで集中し、成果を出し、いかに無限の可能性を秘めているのか全面に出す。アメリカ風の履歴書を丸々翻訳したようなものだとこういうところがわかりづらい。

そして採用する側も学部がちょっと違うかな、なんて細かいこと気にしてないのだから、図々しく受けたいと思った会社にアプローチすることを是非おすすめする。