ウサギと亀

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もともと完全な文化系人間である私は、どちらかといえば運動は苦手。それが2年ほど前からゴールドジムなどという、マッチョな人が通う総本山のようなトレーニングジムで身体を鍛えるようになった。

社長がもともと筋トレマニアで、なにかといえば例え話が筋トレ。超回復がどうとか、ベンチプレスが何キロとかそういう話に食傷気味だったこともありジム通いは敬遠していたのだが、夏バテをし、その体力回復のために通い始めた。しかしこれがやってみると意外に面白い。

そのジムの通い始め、トレーナーに必ず初心者が聞く質問が「どれくらいで体型って変わりますか?」だ。私も当然聞いた。ジムで耳をすましていると入門者が同じ質問をしているのによく遭遇する。しかしトレーナーは言葉を濁す。濁すというより、どれくらいの頻度でジムに来るのか、どれくらいの強度でトレーニングをするのか分からないのだから答えようが無い。

同じような質問に「英語がペラペラになるのにどれくらいかかりますか」「どれくらい給料もらえるようになりますか」だ。そんなもの知らん!と言いたくなる。

私には留学経験は無い。それでもそこそこ仕事で英語が使えるほどにできるようになったのは、これまたコツコツと積み重ねた結果。それも、他の人よりも余計に時間が掛かっているのは間違いない。正直、語学センスと呼べるようなものは無い。短い時間で語学を習得できる人がほんとうに羨ましい。

どうやったら上達するかって?毎日毎日、15分でいいから続ければいい。そんな簡単なことなのに出来ない人の方が圧倒的に多い。楽器もそうだ。ピアニストや管楽器奏者は一日休んだら元の状態に戻るには3日かかるというのが通説で、休んでしまうと強迫観念のように練習をする。その努力ができないのに上手くなろうなんて図々しいにもほどがある。

サラリーマンはウサギとカメの話が当てはまる。時間軸が学生のように3年や4年というショートスパン動くのではない。長い時間の鍛錬や辛抱が、30代、40代、そして50代で結果を生んでいく。3年~4年で投げ出してしまうようではその30代40代で何も生み出せない中途半端な人間になってしまう。

職人と言われる人たちは、概ね不器用な人が多い。器用にあれこれ出来てしまうと目移りしてしまい、一つのことを極めることができない。職人技と言われるような技はちょっとやそっと才能があってもできるようなことではない。不器用にあきらめないことも一つの才能であろう。