ボスキャリ必勝法

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現在、来週から始まるボストンキャリアフォーラム(通称ボスキャリ)という、アメリカで勉強している日本人留学生をターゲットにした合同説明階の準備中。ほぼ毎日、現地の留学生とSkypeで面接を行っている。

 

その留学生たちにどんな企業をターゲットにしているか聞くとおよそ8割ほどの学生が「留学して日本の良さを痛感しました。この日本の良さを海外に紹介する仕事がやりたい」という。気持ちは分からなくもないが就活の観点からするとよろしくない。

 

理由の一つは、企業は別に自国の良さを海外に広めたくてビジネスをやっているわけではない。場合によったら海外の資本も入るし製造だって海外に移転する。いい技術があればどこの国のものでも構わず貪欲に取り入れる。海外に工場を作っても全く日本と同じに操業することはできない。もちろん品質基準は変えないが、郷に行ったら郷に従えで、その国に合わせたやり方でオペレーションする。それを「日本が一番だ」と杓子定規にゴリ押しすることの方がかえって問題が大きい。製品だって現地に合わせて細かくアレンジを加えアジャストすることによって受け入れられていく。「日本の良さを広めたい」というそのセリフは思ったほど企業には通用しない。

 

理由の二つ目は「日本の良さを海外に広めたい」という動機は、他の日系企業でも当てはまり普遍的過ぎること。「日本酒の良さ」とか「こたつの良さ」とか「トヨタ品質管理の良さ」など、特定しているならまだわかる。が「日本の良さ」では漠然としすぎで、おまけに今どきテレビでも毎日のように取り上げられる手垢の付いたネタだから、採用担当者は「へぇ君、志高いねぇ」なんてことにはならない。

 

就職の根本は、利益を稼げる人材かどうか。それは新卒だろうが中途採用だろうが変わらない。留学生には留学生らしいバイタリティーをもっと売りにすべきだ。初めて海外にホームステイした中学生のようなセンチメンタルでナイーブなセリフで企業を口説こうとしてもだだ滑りする。日本に居る留学未経験者と差を付けなければ、せっかくの留学経験が泣くというものだ。

 

留学生はもっとガツガツ行くのがよろし。