時計の話

 

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オメガ シーマスター

ネタが無いから時計の話(笑)。

写真は私の個人所有の時計。私が所有している時計の中で最も使用頻度の多いのがこのオメガのシーマスターである。今日も腕に巻かれている。

買ってからもうかれこれ20年。ある日突然ものすごく時間が遅れると「あ、もうそろそろ修理が必要だな」ということが判る。そこで全分解清掃、再組立という「オーバーホール」に出す。

オーバーホールを終えるとえらく正確になると同時にリューズの巻き上がりやカレンダーの捲りがとてもなめらかになる。修理を経るたびに完成度が上がる感じだ。自動巻き時計のオーバーホールは、デジタルやクウォーツの時計が一つ買えるくらいの金額(数万円)がかかる。だから機械式時計を所有するのには覚悟が必要だ。この時計は、4~5年に一回は修理にだしているから4回はオーバーホールしていることになる。

オーバーホールはきちんと銀座のニコラス・ハイエックセンターに持っていく。ここはきちんとスイスから来た修理担当者が常駐している、いわば日本におけるスウォッチグループの総本山でもあるから安心して出せるのだ。

そしてこの時計は普通のシーマスターではなく限定モデル。

ジャック・マイヨール
裏面

ジャック・マイヨールの記念モデルだ。オメガでは幾つかジャック・マイヨールモデルを出しているが、これはその一番最初のモデルで、当時日本に来日したマイヨールは徹子の部屋に出演時にこの時計をしていたのを覚えている。ここでマイヨールの話をすると長くなるから割愛。

時計は値段が高ければいいというものではないと思う。今どき時間を確かめるなら携帯電話でも問題無い。腕時計をつける一番の理由はお洒落でしかないはずだ。時計は「何を大事にし、どう見られたいのか」という点で雄弁に持ち主を語る。だからお客さんが来るとついついどんな時計をしているのかチェックしてしまう。

機械式時計にはメンテナンスが欠かせない。飽きたらポイ、電池が切れたからポイ、というものではない。機械式の時計を大事に使っている人は、まちがいなく物を大事にする人だ。

これが高い時計でない場合はなおさらのこと。以前、リクルートの担当営業の方でとても品の良いセイコー5をつけている人が居た。初対面でついつい「いい時計してますね」と言ってしまった。そのセイコー5は、1万円ほどで買える。おそらくメンテナンスの方がかかるかもしれない。こだわりが無ければそんな時計は身につけるはずがないのだ。

さて、モノづくり、それも金属加工に携わる会社の人間として、取引先の担当者がクウォーツ時計なんぞしていたら絶対に信用しない。くわえて文字盤がごちゃごちゃしたオモチャみたいな馬鹿でかい時計をつけてたりすると幻滅してしまう。小さな子どもが仮面ライダーの変身ベルトを身につけてるんじゃないんだから。スーツに似合った時計をするべし。