安定した会社を探す方法

先日、選考に集まった学生さんからの質問で「安定している会社の見分け方を教えて下さい」という質問があった。

あるわけないじゃん、んなもん(笑)。

それが分かるんだったら全力で株でも買って悠々自適の生活でもするが、そんな未来予測ができるのはオマハの賢人バフェットくらいだろう。企業の将来予測は難しい。10年前に今の東芝の落ち込みぶりを予測していた経済学者なんて居ないし、20年前にシャープが日本製造にこだわって大規模投資をしたときにマスコミも含め賞賛する声しかなかった。30年前に日航機が墜落事故を起こしたときでさえ倒産するとは誰も想像していなかった。

そもそも「安定している会社」があったとして、従業員に対して安定的に給料が払えるかどうかは別問題だ。会社が存続するために給料を減らす、ボーナスを出さない、リストラを敢行するなど、むしろ中小企業よりは大手企業の方が厳しいかもしれない。

安定した会社を探す方法はどこにも無い。しかし安定していない将来のために備える方法はいくらでもある。時代が変わろうと、会社が変わろうと、厳しい世の中を生き抜いていく力を身につけることを真っ先に考えるべきことだ。会社の名前や肩書に便りきらず、自分で未来を切り開く力を身につけることが結果的に会社から頼りにされることになり、それが企業の業績に反映して存続する力になっていく。

危機感の無い社員が集まってしまうことを企業はものすごく嫌う。志望動機に「安定した会社だから」なんて言ったら真っ先に落とすと、とある老舗巨大企業の人事担当者が言っていた。これはその大手企業だけでなく、どの企業も同じだろう。