面接で言いたいことが言えなくて落ちる・・・わけない

内定がなかなか取れないという学生に「どうして内定がもらえなかったか自分ではどう思ってる?」と聞くと2割程度の人が「面接で言いたいことが言えませんでした。」と答える。企業側から言わせてもらうと、その分析は間違っている。

選考における面接はせいぜいが一回一時間。何度も面接をやるような企業ではもっと短いだろう。回数もせいぜい3回というところか。実際に入社してから何年も働くのにくらべればほんの一瞬と言ってもいいくらいに短い時間でしかない。取り繕うと思えばいくらでも取り繕えるし、テンションもモチベーションも高く普段の姿とはいえない。

それにくらべ経歴というのは年単位で形成されるものだから嘘がつきにくい。部活、バイト、習い事、資格。継続期間が長ければ長いほど、また出した実績が好成績であればあるほどたくさんの努力や高い集中力の証となる。それら好成績者を、ほんの一瞬の面接の様子が悪かったからと言って簡単に落とすアホな企業はない。

「面接が悪かったから落ちる」の論理は、すなわち「面接が良かったらそれだけで受かる」を意味する。そんなことはありえないのだ。

面接で言いたいことが言えなくて落ちることがあり得るとすれば、それは経歴やエントリーシートに嘘や誇張、矛盾があるときだ。ほんの少しのことを大きく盛ったり、前後が繋がらないようなストーリーになっている場合、面接で取り繕うことは難しい。

ただ嘘で塗り固め、面接も口八丁、虚言を並び立てられるのであれば、それはそれで一つのスキルとも言える。それこそデカプーの映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のような詐欺師なら、場合によって非常に優秀な営業になれるかもしれないが。