成功の反対は、と聞かれればほとんどの人は「失敗」と答えると思う。
しかし本当の正解は「何もしないこと」。
サッカーのゴールをイメージして欲しい。
勝つためにはシュートを打たなくてはいけない。
もちろんシュート成功率100%なんてことはあり得ない。
実は一流のサッカー選手だってその成功率は20%そこそこしかないのだ。
野球で言えば、ものすごくヒットを打つイチローでさえも最高打率では4割に届かない。
60%以上の割合でヒットが打てていないことになる。
一方、全く駄目なサッカー選手はどうか。
成功率の低い選手と、シュート数がそもそもゼロの選手とどちらが駄目選手なのか。
野球でゴロやフライでアウトになるのと、見逃し三振でアウトになるのとどちらが悪いのか。
こう考えると成功の反対は失敗ではなく『何もしないこと』というのが簡単にお分かりいただけると思う。
成功の反対を失敗と捉えるのは、その結果だけを定量的にしか見ていないわけで、
そういう思考プロセスではいつまでたっても成功に近づくことはできない。
一昨日、ノーベル賞を受賞した大村さんの記者会見でも同じことが述べられていた。
「成功した人はあまり失敗のことは言わないんですよ。
だけど人よりは倍も3倍も失敗していると思いますよ。
そういう中から成功が出てくる。
一回二回失敗したからってどうってことないよ、若い頃は。」
「一回失敗してそれでもってダメだと思ったらダメですね。
失敗したから良かった、これが必ず役に立つんだと思いながら
研究を続けていくことが大事なんですね。」
これまた数日前、NHKのプロフェッショナルという番組でラグビー日本チームを率いる
エディ・ジョーンズの再放送をやっていた。その中でも同じようなことが述べられていた。
「日本の練習はミスをしないようにやるからダメだ。
失敗するような練習をしないといけない。
練習中に出た失敗を、いかに本番で出さないようにするか、そこが大事。」
一流の人たちは皆同じことを言っているように聞こえるのは偶然ではない。