ABO

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先ほど、テレビ会議システムを使って台湾事務所に訪れた候補者の面接を行った。日本語か英語が出来るのなら遠隔地からでも面接はある程度の範囲で行うことができる。

事前の資料として履歴書がメールで送られて来ていたのだが、その中に血液型を記載する部分があって「なんじゃこりゃ」と思った。私は血液型性格判断に関して完全なアンチだ。

そもそもABOの型を決めている赤血球は脳細胞に直接触れない。これだけでも性格を左右するものではないのがわかりそうなもの。

血液型占いの歴史を紐解くとナチス時代に遡る。赤血球の型は民族によって分布が異なる。アーリア人の優秀性を宣伝するためにこれを利用したドイツ人の医者が始めたのが血液型性格判断の正体。極めて人種差別的な発想から始まっているのだ。

言ってみれば「アラブ人はマイペース」「日本人は几帳面」「黒人はバイタリティがある」って決め付けるのと同じ。肌の色で人間の性格は決まらないというのは現代国際社会の常識のくせに、いまだに平気で血液型を話題に持ち出す人の神経がわからない。差別主義以外のなにものでもない。

「いや、血液型は科学ではなく統計学だ」という意見もあるかもしれない。ならば有名なRh型をも含め数百もあるという血液型の中で、なにゆえABO型だけを取り上げるのかわからない。ABO以外の血液型データとABOの血液型のデータを比較し性格診断で優位性を見出したデータなどあれば是非お目にかかりたい。

なので、血液型の話を持ち出されると私には「妖精が見えるんです」とか「宇宙人に誘拐されたことがあるんです」とほとんど同じ意味にしか聞こえないし、履歴書に血液型が書いてあると「双子座」とか「今日、自宅から出て歩いた方角は北西」とか「前世は中世ヨーロッパの肉屋」などと、どこかに書いてあるんじゃないかと疑ってしまう。

かつては血液型性格判断の話が出るとムキになって反論していたが、さすがに大人になったのか苦笑いしつつ聞き流すようにしている。面接で候補者から「私O型だから大雑把なんです」なんて言われたら即落とす(笑)。