リーダーとマネージャーの違い

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さて8月ももうそろそろ終わり。面接も終えて内定出しがひと通り終わり、選考の第一クール終了という企業が多いのではないかと思う。

毎年学生から他社の面接の様子を聞くのが面白い。グループ面接から始まって人事担当の個人面接、若手社員の面接から現場責任者の面接、さらには役員面接と進んでいくと愛想もないような仏頂面のおっさんに意図のよくわからない質問をされるという事態が多く発生する。

その仏頂面のオッサンは間違いなく管理職だ。英語ではマネージャーという。マネージャーとはManager、つまりManageする人。Manageという単語には「どうにか~する」「無理やり~する」という意味があるように、マネージャーは決まり事や規則に「縛り付ける人」でもある。

だから管理者として成績優秀者というのは、厳格で融通がきかない。優秀な警察官は法律が守られているかどうかを管理しているわけだし、優秀な借金取りは期日通りにお金を回収するという管理をしている。見逃しや例外ばかりつくる警察官は優秀な警官とは言えないし、期日通りにお金が集められない借金取りはすぐにクビだ。

マネージャーの仕事には本来相手の顔色をうかがって、それに合わせて対応を変えることは求められていない。杓子定規な方がよろしい。会社で上層部に居るマネージャーが面接に出てきても仏頂面なのは当然なのだ。学校でも「なんでこんな人が教師やってんのか」っていう先生が居るのはこのせいで、生徒には人気が無いのだが校長とか保護者には評判が良い。「宿題やってないのか。しょうがないなぁ」「成績悪くなったぞ。しょうがないなあ」「また遅刻か。しょうがないなぁ」では話にならない。

一方、リーダーという言葉はLeadという言葉通り、先頭に立ち引っ張っていくことだから、相手の表情を読み状況に合わせて対応を変え、組織を率いていくことが必要となる。杓子定規よりも状況適応力が求められる。いわゆるクラスの人気者がもつ資質だが、そういう人材はそうそう居ない。絶対数が少ないのだ。

リーダーとマネージャーはそもそも求められるし質が違うのだが、一般社会でややこしいのは、真の意味で管理職には管理する事とリーディングすることの両方が求められる。これが両立することは一番望ましいのだが、これがなかなか難しい。どうしても管理面が優先してしまう。

こういう理由で、会社のお偉いさんというのは得てして無愛想な人が多くなる。これが普通。だがそういうお偉いさんが居るからといって会社が悪いわけではなく、むしろ運営上は会社が潰れないようにきっちりやっている証拠でもある。そんなところで会社の良し悪しを判断するのは性急であろう。

組織にはいろんな人が居て成り立つし、また面白いのだ。Diversity(多様性)は組織活性化には重要な要素でもある。