ファミコン言葉

ファミコン言葉、なるものがあるのだそうな。おっさん世代ならファミコンとは任天堂のファミリーコンピュータで決まりだが、ここで話題にしているファミコンはそのファミコンではない。ファミレスやコンビニのアルバイトが使う「こちらでよろしかったでしょうか」や「1,000円からお預かりします」っていう独特の言い回しのことだ。

「こちらでよろしかったでしょうか?」については、一部の地方ではそういう言まわしを普通に使うところもあるので間違いではない、という説もある。英語でも仮定法の「Would you~?」ってのは、これからのことを聞くのに過去形を使うんだからよくよく考えると妙な表現だ。が、「よろしかったでしょうか?」は標準語としては違和感があるのは確かだ。

ぴったりとお釣りが出ないよう出しているのに「398円からお預かりしま~っす」などと使われると、杓子定規でアドリブの利かない言葉だなと思う。

先日、自宅近くのスーパーで会社帰りにお刺身を買うと、高校生らしきアルバイトの女の子が「レジ袋はご利用ですかぁ?」と聞いてきた。

どう考えても会社帰りのスーツ姿のオッサンがエコバッグを常時持ってるわけはあるまい。それとも私が愛用するイタリア製フェリージの綺麗なビジネスバッグに、生臭い汁が垂れそうな刺し身のパックをそのまま無造作に突っ込むとでも思ったか?それとも魚屋の配達よろしく、むき出しのパックをバランスよく傾けないように家まで持って帰ると思ったのか?まったく謎である。

むしろ私が若者言葉で気になるのは「~じゃないですかぁ」という言葉。これは「私だけの考えではないですよね、皆さん知ってる話ですよね」と決めつける言いまわしだ。自分の発言内容に自信が無いのでそうなるらしいのだが、それが連発されると「そんな前提条件など知らん!」とついつい言いたくなる。

「アルバイトしながら就活って大変じゃないですかぁ」→いや、大変でない人も居るでしょ。

「やっぱり語学って必要じゃないですかぁ」→いや、うちの会社は語学力問わないし試験も無いよ。

「結婚しても会社で働きたいじゃないですかぁ」→いや、家庭に入りたい人も沢山居るよ。

「外国人って大雑把じゃないですかぁ」→おいおい、それ人種差別だから。

「私って地味じゃないですかぁ」→知るか、んなことっ!

 

この自立心の無い、他人に頼りきったセリフが個人的には気になって仕方がない。面接で連発されるとげんなりしてしまう。

学生諸君、気をつけあれ。