珍食奇食

今回はジャンルをグルメにしているが、いわゆるゲテモノの話。出張先で出会う食べ物の話題だ。

まずはカエル。日本では珍しいカエル料理も東南アジアや中華圏では珍しい食べ物ではない。味や食感は鶏肉に似ているというのは日本でも知られている話であり、私はむしろ鶏よりも癖が無くヘルシーだと思うので台湾出張に行くと必ず食べるメニューである。

しかし普通のカエル料理はいいのだが、透き通ったスープに皮付きのカエルが入っていた料理はいまいち箸がすすまなかった。おもて側はウシガエルの迷彩柄のような模様で、裏が真っ白。スープの中でにんにくの粒とともに下半身だけが浮いているのだ。グロい。味はいいのに食欲が沸かない。皮の所がクニュクニュしていて美味いが、目をつぶっていないと食べられない。

香港のイトーヨーカドーなどのスーパーの魚売り場に行けば、カエルはカゴの中で生きたまま売っているのもある。頼むとその場でさばいてくれるのだ。これもエグい。

中国本土は、出張で行く北京や上海などではそれほど変わった料理は普通見かけない。北京の王府井の屋台は、観光客向けだから串に刺さったサソリやらコオロギやらが出ているが、もっぱらディスプレイであり注文する人も食べている人もほとんど居ない。

虫と言えばタイ。しかしバンコクに行った時には昆虫食わされるのかと思っていたら、現地に詳しい人の話では昆虫は比較的貧しい南の方の食べ物で、北部ではタイ人でも食べられないのが普通とのこと。地域差が大きいのは中国と似ている。

韓国では屋台で蚕の蛹の煮たのを売っているが、まだ私自身は食べたことはない。結構ポピュラーな駄菓子感覚スナックらしい。スーパーでは缶詰も売っている。嫌がらせのお土産には最適だ。

その韓国でもスンデという料理がある。形はソーセージ。中は豚の血ともち米といろいろ入っていて、見た目が非常にグロい。そのためテクダイヤの社員はかなり苦手にしているが、私は好きだ。

日本人には珍しい犬料理も、ソウル・オリンピック以降は裏通りにしかなくなったとの噂で、私も韓国では出くわしたことが無い。遭遇したのは北朝鮮政府が経営している上海の店だった。

フィリピンでゲテモノといえば、半分孵化したアヒルの茹で卵「バロット」だろう。普通の卵よりもアミノ酸が豊富で、滋養強壮に良いらしい。男にとってはいわゆる赤マムシのような夜の食べ物で、女性は産前産後に良いとの話。バロットの最後のTの発音が聞こえないので、売り子の掛け声は「バルッ、バルッ」と聞こえる。これもわざわざ食べたいとも思えないので試したことは無い。食べた人の話では、見た目ほどにはまずくはないとのこと。

フィリピンで苦手といえばグリーンマンゴー。おなじみの黄色く柔らかなマンゴーとは種類が違い、青りんごのような色でかなり硬い。食感としては熟していない柿と、カチカチのリンゴの中間くらい。口が曲がるくらいに物凄く酸っぱい。これをオキアミの塩辛をつけて食べる。この塩辛がいわゆる魚醤系の香りでかなり臭い。なぜこれが美味しいと思えるのか不思議でならない。

と、色んな食べ物を挙げてみたが、普通の出張では短いスケジュールの中で忙しくしていて、優雅に食事することは難しい。遊びで行くわけではないからそれが当たり前。一日中ずっとパーキングエリアのフードコートとか、お客さんの会社の社員食堂など珍しくない。

それでも少ない機会でグルメを探すのがテクダイヤ流かもしれない。