フィリピン虫事情

with コメントはまだありません

今回は虫の話なので、苦手な人は読み飛ばして欲しい。

テクダイヤでは新人だろうがパートのおばちゃんだろうが、必要とあればセブに出張に行く。若い人たちは平気だが、おばちゃんたちは宿泊先やレストランで遭遇する虫や小動物を苦手にすることが多い。もちろんそれが理由で出張を断ることはないが、かなりのストレスだろう。

いちばん一般的な虫は蟻だ。ホテルでもスタッフハウス(日本人社員寮)でも、下手に甘いものを食べ残しで置いておくと大変なことになる。クリームケーキを放置しておいたら、チョコレートケーキに変身したのかというほどアリでびっしり真っ黒になった、という出張者がいた。蟻は黒いのと赤いのがいるが、この赤いやつに噛まれると痛い。そしてその後腫れて、しばらく痒みが続くから注意が必要だ。

一年中雨が降っていて湿度が高いため、木造の家はシロアリに悩まされることが多い。私も赴任中に一度シロアリが原因で引越を余儀なくされたことがあった。戸棚にしまっておいた本もあっという間に十冊以上食われてしまった。シロアリに食われた本は、まるでグーグルマップで上から見たグランドキャニオンのような模様を作る。しかし感心している場合ではない。メイドが時々家具の配置を変えたりするのも、気まぐれではなく一定の意味はありそうだ。

その蟻やら蚊などを食べるのがトッコーと呼ばれるヤモリ。大きい物でも10センチ程度。真っ白で、よく見るとお腹の部分が透けていたりして気持ちのいいものではないが立派な益虫だ。よく行く野外レストランの薄暗い壁にびっしり張り付いていて、出張で行ったおばちゃんが突然気づいて悲鳴をあげていた。

悲鳴といえば私にも経験がある。ある時ホットケーキミックスの粉末をショッピングモールで買ってきた。ふわふわなホットケーキを食べるために丁寧に卵を泡立て、いざ粉を投入。しかしなんだか粉が動いている。あぁ疲れが溜まってるんだな俺、と目をこすってよーく見てみると、ほんとに粉が動いていた。え?なにこれ?と思ってビニール袋に残った粉を見てみると「ぎゃー!」と本気で悲鳴が出た。得体のしれない小さな白い虫がうごめいていた。即座に廃棄。

で、今度は捨てた先のごみ箱の裏蓋にびっしりと小さな黒い虫が張り付いていた。もう二度と蓋を開けたくない悪夢レベル。これはメイドのエミーが綺麗に掃除してくれた。偉いぞエミー。

ネズミも多い。私はスタッフハウスで昼寝をしていたら胸の上を走っていったことがある。かじられなかっただけ良かったかもしれない。一般の家だけでなく、大きなショッピングモールでも見かける。お洒落なイタリアンレストランにディスプレイされていたフランスパンの上を平均台のように走っていた。アニメ映画「レミーのおいしいレストラン」のようだが現実世界では気持ち悪いことこの上ない。

もっとサイズの大きいのがトカゲ。セブで工場建設をやっているときに、廃材の中にいるのを発見。引きずり出すと全長1.5mくらいの立派な茶色のボディ。見ようによってはミニサイズの恐竜のようでかっこいい。ドナドナのように社員に引き取られていったが、どう考えてもかの国では経済的にペットにする余裕は無いから、おそらく食べられたに違いない。

そして今回の話の結論。

フィリピンは面白い!