海外展開

テクダイヤの面白さの一つに海外展開がある。これは、テクダイヤがコンデンサを開発した当時、日本の企業はどこも採用してくれなかったというところから始まっている。

今でこそベンチャー企業がたくさん出現し、創業1~2年で全くの無名企業が巨大企業になるような時代になっているが、テクダイヤの創業は1970年代。まだ古い考え方の残っていた時代だ。

資本金が100万円程度の弱小企業がいかに優れた製品を作っても、大手企業からは「あなたたちのような倒産のリスクがある小さな会社から購入して、突然部品供給が止まったらどうするのか」と言われ、なかなか納入に結びつかなかった。

確かにテクダイヤの製品は宇宙産業や国防などに使われるものなので一理ある。しかしこの考え方では小さな会社はずっと小さな会社に甘んじていなくてはいけない。

そこで当時の先代社長は「日本が駄目ならアメリカに持って行こう」と、開発エンジニアと共にたった二人でアメリカに渡り、シリコンバレーの企業へ直接訪問して売り込んだ。

すると、さすがアメリカンドリームの国。優秀な製品であると認めてくれると、すぐに採用が決まった。 この実績が日本に逆輸入され、いつぞやは断ってきた日本大手企業が採用をしてくれるようになった、という経緯がある。

この「物怖じせず大胆に新しいフィールドにチャレンジする」というスタイルは現在のテクダイヤの社風となっている。

海外に支社や工場を作るときはいつもそう。何かコネがあるとか、コンサルティング会社が作ってくれるとかでもなく、まさに一つ一つ自分たちの手作り。判らないことだらけで苦労もする。しかしその過程が楽しいのだ。

お客さんの開拓も同じ。代理店に頼むのではなく、自分たちの手で切り開いていくスタイルを取る。

テクダイヤはこの「自分の目で見て耳で聞いて、そして考え、自分たちの言葉で相手に訴えかける」ということを大切にしている。

他人のフンドシで相撲をしない。それがテクダイヤのスタイルだ。